映画「ビフォア・ザ・レイン」あらすじ

第一部から第三部で構成された映画です。
まず、第一部は「言葉」、第二部は「顔」、第三部は「写真」というそれぞれのテーマで物語が始まります。第一部の舞台はマケドニアです。マケドニアの田舎の山岳地帯に佇む修道院でキリルという若い僧は沈黙の修行をしています。ある日彼の部屋にマケドニア人に敵対するアルバニアの少女が隠れに来たことをきっかけに二人は恋に落ちます。しかし、異なる民族同士の恋は最終的に悲劇的な結果を招くことになりました。
そして舞台はイギリス・ロンドンに移り、第二部が始まります。結婚予定のイギリス人女性編者アンと不倫相手のマケドニア人カメラマンのアレックスが主人公。アレックスは写真で偉大な賞を受賞した後、アンに一緒に自分の故郷であるマケドニアに行き、そこで暮らそうと誘います。しかし、アンはそれを断り二人は別れることになりました。婚約者との結婚に迷うアンはその後、婚約者とレストランで食事をするのですが、そこで悲惨な事件が起きてしまい、結局彼とも別れる運命となりました。
そんな悲惨な状況で第二部は終えてしまいますが、第三部は再びマケドニアの田舎街に舞台は移ります。帰郷したアレックスは親族の家に帰りました。そこでは「偉大な賞を受賞したカメラマン」として迎えられました。彼は以前付き合っていたアルバニア人女性が住む村にもお土産を持って訪れますが、そこは以前とは状況が変わっていました。マケドニア人対アルバニア人という民族の対立が激化しており、アレックスは快く歓迎されなかったのです。その後、アレックスの元彼女の娘がアレックスの従弟を殺害し、彼の親族は復讐を試みます。ここからの出来事が第一部と関係してきます。 

映画「ビフォア・ザ・レイン」感想

私が初めて見たマケドニア(最近、北マケドニア共和国に名前が変更されたようですが)映画でした。第一部の最初の方はのんびりとした北マケドニアの自然が美しく、壮大に撮られており、いつか旅行で訪れる機会があればなと見ていました。しかし、その美しい田舎町で起こる出来事は考えさせられるものであり、最後まで見る甲斐がある映画だったと思います。
バルカン半島は民族の対立が多く、紛争も度々起こっていたということは知っていましたが、マケドニア人とアルバニア人の民族対立についての知識はなく、この映画を見て知りました。ロンドンが舞台の第二部では恐ろしい事件がレストランで起きましたが、その実行人物は恐らくイギリス人ではないことからここでも民族の対立が見られ、監督は自身の母国のみならず、世界のどこかで起きている民族間の対立の現状を伝えようとしたのかと思います。
そしてテーマの舞台がマケドニア→ロンドン→マケドニアと循環しているように民族の対立は繰り返し、そう単純に解決する問題ではないのだと思わせます。